こんにちは。岡本です。
2023年8月22日(米国時間)、Microsoft社から「Python in Excel」の実装が発表されました。
とっても簡単に言うと、「Excel上でPythonを実行できるようになりますよ」ということです。
Excelは普段から使っているしPythonは知っているけど、結局のところなにがどうなるの?
と思ったので、調べてみました。
本記事でわかること
本記事では下記について記載しています。
- Python in Excelとは
- Python in Excelでできること
- Python in Excelを使用する上での制約や注意点
Python in Excelとは
Excel上でPythonを実行する機能
Python in Excelとは、Excelの中でPythonを使えるようになる機能です。「Excelでプログラムを使う」となるとVBA(Visual Basic for Application)を思い浮かべますが、それとは根本的に異なります。
Python in ExcelはPythonを使ってExcelのデータを操作できる機能、というのが正しいようです。
なお、Python in Excelを使う端末にPythonのセットアップは不要です。
Excelのデータを用いたアナリスト向け
Microsoft社によると、Python in ExcelはExcelのデータを用いて分析を行っているアナリストに向けて、リリースされた機能とのことです。
Pythonは元々データ分析に強みがある言語であり、その根底を支えているのが豊富で便利なライブラリです。Python in ExcelではAnaconda(一般的なライブラリを含んだリポジトリ)を採用しているため、「pandas」「Numpy」「matplotlib」といった人気のライブラリを標準で扱えます。
VBAの代わりにはならない!
先述のとおり、VBAとPython in Excelでは根本が異なります。Pythonを使ってExcelを操作することはできないため、VBAの代わりになることはありません。
PythonでスマートにExcelを動かしてやるぜ
と思っていた人には期待はずれのニュースかもしれません。しかしながら、ExcelでPythonを使うメリットはもちろんあります。次の項目で確認していきます。
Python in Excelでできること
Excel上でPythonを実行すると、どんなことが実現できるのか見ていきましょう。
ExcelのデータをPythonでグラフ化できる
既存の機能では表現が難しかった複雑なグラフも、Pythonライブラリを活用することで描画可能となります。
例えばグラフ作成に長けているライブラリを活用することで、ヒートマップやバイオリンプロット、ヒストグラムといった高度なグラフも作成可能になります。グラフ作成のためにExcelで解析したデータを別のソフトに読み込ませる・・・・といった手間も省くことが期待できます。
複雑な関数なしでデータを分析/加工できる
Pythonには統計やデータ分析に強いライブラリもあります。Pythonを使ってデータ集計するだけでなく、機械学習や予測分析も行うことが可能です。
また、従来ではVBAを必要としていた正規表現を用いたデータ加工も、Pythonに代替することで簡単になります。
既存機能と組み合わせが可能
Pythonを使う場合、新たなワークシート関数であるPY関数をセルに組み込むことになります。そのため、これまで使用していた他の数式やグラフ機能も使い続けることが可能です。従来の作業でできることが、Pythonでさらに広がるといえるでしょう。
Python in Excelを使用する上での制約や注意点
ネット環境が必要
Python in ExcelはMicrosoftクラウド上で実行されるため、使用する端末がインターネットに接続している必要があります。そのため、ネットに接続していない端末からはPython in Excelを使用できません。
使えないライブラリもある
Anacondaを使って実行されるPython in Excelですが、使用できるライブラリには限りがあります。使用を推奨されているものは公式ページに記載されているため、実際に使う前にはチェックした方がよいでしょう。
まとめ
- Excel上のデータをPythonで処理できるようになる
- Pythonによるデータの視覚化、高度な分析が可能となる
- Pythonの実行にはネット環境が必要
ちなみに、Python in Excelはまだ一般公開されていません。(2023年11月7日時点)
私たちが使用できるのはもう少し先(執筆時点で一般公開日は未定)になりそうですが、使ってみたい場合はMicrosoft 365 Insider Programに参加するとベータ版が触れるようになるようです。 ※詳細は公式ページをご参照ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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